デジモンアドベンチャー:第41話感想

デジモンアドベンチャー:第41話「霧のもんモンパーク」感想

脚本:山口宏 絵コンテ:佐藤道拓 演出:武藤公春 作画監督:荏原裕子

●全体を見て:録画のタイトルには「悪夢の遊園地!」と追加されている。
またもファーガは関係ない話で、オポッサモンもミレ二アモンとは無関係のよう、残り話数少ないのに大丈夫なのか。タケヤマ派・ヤマタケ派にはうれしい、ほぼヤマトとタケルの関係を描いていたが、さほど深い掘り下げは無かった。無印・02では、ヤマトがタケルの庇護者であることに強くアイデンティティを求めていたことや、タケルが両親の離婚を見てきて争いを極端に嫌うようになったこと、仕事が忙しい両親の様子などが描かれていたが、今作では「離婚で離ればなれになって淋しい・両親が(少なくとも別居か)離婚していて複雑」という程度なのでとても残念。他のキャラの尺をほとんど奪って描いたにしては物足りない。なぜ離婚したのか、なぜ母親が二人引き取って養育費をもらうという選択をしなかったのか、全く描かれていない。無印では家族の関与が様々なエピソードや感動をもたらし物語に厚みができたのだが、今作では意図的に家族はほぼ関与しないのだろうか。何とかならないものか。ちなみにワンピース姿の母親はわずかしか見えないが髪が金髪でなく、無印の祖父母がフランス人という設定はないのだろう。一家で過ごした少ない楽しい思い出の一つ・遊園地で騒動に巻き込まれたのは何か因果を感じる。観覧車と言えば、お台場を思い起こさせる。

●タケル:オポッサモンの嘘よりも、思い出の背景となる遊園地を罠にし穢したたことに怒っていた。「絶対にあきらめない」のがタケルの「希望」。希望の紋章ってう~んそうだっけ?ヤマトの熱い想いがタケルに届いた。早くに別れ別れとなり「一緒にメリーゴーランドに乗るという約束」が二人にとって心揺さぶるわずかないい思い出だったのだろう。

●ヤマト:クールで戦い慣れしているのに、まさかのお化け屋敷が苦手と判明、本人恥かしがっていてかわいい。タケルの熱心な庇護者というより単なるいいお兄ちゃんでしかないのは拍子抜け。チビヤマトかわいい。霧のせいかデジヴァイスで太一たちと通信ができなかった。騒動が片付いたのは夕暮れ時、他の子たちはかなり心配してたのでは。

●丈:ゴマモンにマッサージか何かをいつもやってもらっていると判明。しかしあの手(?)の爪があるのに痛くないのだろうか。この回でもゴマモンはかいがいしく丈をフォロー、凸凹コンビとは違うんだよな。

●パタモン~エンジェモン:過酷な戦いで力を使い果たして進化できないと、前説で明言。それでエンジェモンでなくぺガスモンだということか。でもデジメンタルもないのにアーマー体の方が進化しやすいってどういうことなのだろう。今回は、幼きデジモンたちの希望の力に感化されエンジェモンに進化したのだが、エンジェモンをごく特別な存在として描く以上、ようやく進化できた裏付けとしては弱いように感じる。対策が特にないのに、ワルもんざえモンの中に敢えて入ったのはなぜ。

●オポッサモン:アメリカ大陸やオーストラリアに棲むopossumオポッサムという有袋類が語源と思われる(ネズミに似ておりフクロネズミとも呼ばれる)。優しさのデジメンタルで進化した獣型のアーマー体。かわいい容姿でカラフルなバルーンがトレードマーク。強力なコンピュータウイルスを仕込んだバルーンを爆発させてまき散らすという。図鑑にはないが、今回はバルーンで大型のモンスターを作り出してもいた。もんモンパークの電源を入れたり花火を打ち上げたり、ワルもんざえモンを動かしたり、かなり力量がある。クロスウォーズでどういうキャラだったのか私は知らないが、目は赤くないから操られているのではなく、少なくとも今作では小さいながらに悪意に満ちた、生存競争の実力者・支配者と見えた。こうもしゃべってくれると、憎たらしくて敵として張り合いがある。声は、クロスウォーズでも同役を演じた白石涼子さん。その時にパートナーのアイル役を演じたのが潘めぐみさんというから、確かに縁を感じる。一人称は「あたち」だから、メス系なのだろうか、デジモンに性別がないとは言え。最期はワルもんざえモンに潰されていたが、一緒に消滅したのだろうか。

●幼いデジモンたち:シャオモン(xiaoの意味は調べたが不明。人によくなつくレッサー型の幼年期Ⅱ。成長期はラブラモン。)、フリモン(friの意味は調べたが不明。フリルのことか。首にフリルを持つレッサー型の幼年期Ⅱ。鎧の代わりになる毛の一部が高質化したフリルと、長い尻尾が特徴。成熟期はライアモン、レオモンなど。)、プロロモン(puroroの意味は調べたが不明。幼虫型の幼年期Ⅱ、3対もある羽を別々に動かして変幻自在に飛ぶのでなかなか捕まらない。成長期はファンビーモン。)。ワルもんざえモンに吸い込まれ生命力を吸収されていたが、タケルとパタモンの希望に感化されて復活。声はクレジットにはない。声に強いクセのある山田きのこさん、竹内順子さん以外の女性メインキャラ声優さんが演じたのでは。手が空いてたろうし。耳で聴き分けられなくてスミマセン。

●バケモン:ワルもんざえモンと同じく、オポッサモンの配下?にあるよう。ちっこいアーマー体の配下に下ったいきさつは不明だが興味ある。

●ワルもんざえモン:正体不明のパペット型の完全体。性格は悪そのもので意地悪で陰険というが、今作では唸り声のみでセリフは無く、オポッサモンにいいように使われていただけの存在。

●次回予告:光子郎の頭脳が冴えわたるのはわかったが、なぜ彼が知識に没入するようになったのか、家庭問題などは果たしてきちんと描かれるのか、やや不安。

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