DIGIMON BEATBREAK 第6話「親子の盃」感想
脚本:赤星政尚 絵コンテ:貝沢幸男 演出:桐山貴央(たかお) 総作画監督:諸葛子敬 作画監督:吉田雄一・北村友幸(原画に八島義孝さん、直井正博さんの名も。すみません旧作ファン丸出しで;) 美術:神綾香 演出助手:倉田俊宏・平田萌恵 制作進行:小宮慧 <2025.11.9.放映>
実質「五分と五分」の後半戦。ただでさえ本調子でないパンダモンが消えるのではと心配したが、ゲッコーモンのe-パルスを半分こして生き残ってよかった!命を捨てて誰かを守るのは一見カッコいいけれど。危機を半分こして一緒に生き続けることの大事さが沁みた。遊狩の取引相手が判明したのも新展開。桐山貴央氏はドラゴンボールDAIMAの演出などをなさった方。
ここまでで、取り立ててハマるキャラはおらず皆同じくらいだし、本作のグッズが欲しいとまでは思わない自分がいる。無意識に肝が震えるまではいかない。まだちょっと冷め気味かな。いえ、シリーズの中でも優秀な作品とは思いますよ。情報は欲しいからアニメ誌は買います。
●トモロウ:ゲッコーモンの名を恥じることなく何度か絶叫している、絆の深まりを感じる。自分だけ体を張ってパンダモンには我慢を強いる笹竹に「自分だけで背負おうとしてんじゃねえよ」「ただかっこつけてるだけにしか見えないんだよ」と反発する気持ち。それは、一人の大人として自分と問題・苦しみを分かち合ってくれなかった兄への反発と悔しさでもあった。
肉まんて、コンビニ無いし商店街で調達したのか?肉まんをゲッコーモンと半分このつもりが全部食べられて怒る、笑。遠慮などない間柄になった。料理の描写はなかったけど、唯一の食べ物・肉まんも餡の具材や皮の質感などおいしそうに描かれている。
●ゲッコーモン:親分の命令に背けないパンダモンに「オレっちはお前に聞いてるんだってナ!」わかるわかる本音を聞きたい。
ウルヴァモンとキロプモンに送り出されて、トモロウの鼓動もMAX、舌でアスタモンの動きを抑えてマシンガンを手放させることに成功。しかし蹴りを入れられ、人質にされてしまう。
渾身の一撃の後、ゲッコーモンに別れを告げ死ぬ気のパンダモンに密着。「(パンダモン)離れろ!お前まで…」「なんでも半分こって言ったてナ!生まれたときは別々でも、死ぬ時は一緒だってナ」「(パンダモン)兄弟…」二人はまぶしく光り輝いて。トモロウというパートナーがありながら、ゲストキャラの兄弟と心中なんてあり得ない!とわたしゃ見てて思ったんですが、結果はオーライ?!パンダモンは消滅しなかった、キョウによると「たぶんだけど、ゲッコーモンのe-パルスがパンダモンのe-パルスを補ったんじゃないかな」。BGMはやさしいピアノ曲。デジモン同士でそんなやり取りができるのか。経口でないe-パルスの移譲。
兄弟と別れることになったけど、以降再会の機会があるといいな。バトルの助太刀とか。ゲストキャラだけはもったいない。
●パンダモン:「渡世(とせい)」とは社会の中で働きつつ生きていくこと、世渡り。また、その仕事。「この渡世、親分の言いつけは絶対なんだ!」。「切った張った」とは斬ったり叩いたりすること。転じて暴力を伴う争いのこと。それを親分に禁じられて、耐えようとした末に親子の縁を切る覚悟で黙って半纏と盃を返し、立ち上がる。目にクマできてますけど大丈夫?なはずないか。「言ったはずだ。生まれたときは別々でも死ぬ時は一緒だと!」死ぬ言わないで~;ゲッコーモンの舌とグータッチするも、親子の縁を切ったことには不覚にも流涙する湿っぽさも持ち合わせていた。ていうか追い込まれて切ない場面が多いとはいえ、結構泣き虫では。それとも私が不感症でドライなのか。
本調子でない傷身の完全体ながら全身を張って被弾し、ゲッコーモンのお手柄で手に入れたオーロサルモンに細工して、アスタモンを自爆させるという頭脳戦もやってのけた。そして捨て身の渾身の一撃!私はどの作品でも、バトル自体には興味ない(その前後のエピソードを重視)のだが、一筋縄ではいかないなかなかのバトル展開はすごいと思った。
「あっしの体に残る全てのe-パルスで、落とし前をつけさせてもらう!」「(アスタモン)こいつ、死ぬ気か?」「もうこれ以上お前たちの勝手には、させない!」泣いてるのはなぜ。死に別れるのがつらくて?とにもかくにも、死ななくてよかった、ハッピーエンド。かくして商店街はひとまず守られた。けれどお上に反抗している以上、永遠に平和とはいくまいな。
薪割りをしていたが、銭湯の熱源か。まさか家庭内は都市ガスだよね?
●笹竹:切腹は中世からの日本の武士の風習(harakiri、seppukuで海外でも通じるという)で、明治時代以降も軍人等の間に見られ、切腹を名誉ある自決とする思想が残っていった。それにしても、近未来に土下座だ切腹だとは時代錯誤も甚だしい。トクリュウまがいの犯罪集団に昭和の任侠道が通じるはずもなく、名誉どころかあざ笑われてボコボコにされる。初めから予想できそうなもんだが、意地を通したか。
無理をしたパンダモンを馬鹿モンと一喝、「厄介ごとを自分だけで背負おうなんて思ったら大間違いだぞ。そんなもんはただのかっこつけにしか見えん」あれ、誰かと同じこと言ってる笑。わかっちゃいたんですね。「親の言いつけを守るために、兄弟を見捨てるような奴だったら、即破門だったがな。お前はまだわしの子だ」「(パンダモン)お、親分…」。自分を絶対視させといて、臨機応変というか、ずいぶん身勝手な理屈ですなあ。パンダモンがもし消えてたらそんなこと言えないのに。任侠道、私には謎だ。
●レーナ:前回名で呼ばれることのなかった待田(町田でも松田でもないあえて待田と命名した理由は何かあるの?)のことを名指しで呼んでいた。肉まん買いに行ったきり、行きがかり上変なことになっていたトモロウとゲッコーモンをフォローしに来た。「ファミリー、置いてく気?」く~カッコいい。もう連携する気満々、これぞファミリー。
「半分こはいいけどさぁ、何で賞金まで半分こになってるのよー!」不満はごもっとも。キョウがデリートしなかった幼年期(ネットによるとモクモンというらしい)を抱いてるから、賞金は半額となる。加えて、キョウはおそらく遅れたことを親分に詫び、賞金をさらに半分にして渡したと思われる。ということは、100万クレジットのうち手元に25万。
●プリスティモン:ウルヴァモンが確実に技を決めたにもかかわらず、アスタモンは無傷。それが完全体の威力。次の戦いではゲッコーモンを超速で運び、「頼んだわよ!」後を託したとこカッコいい。
●マコト:ケンキモンのサポ主をマークしていて、現場にたどり着いた。闇バイトの雇い主が判明し、キョウに連絡。連絡係ってのも、光子郎や伊織を思い出させてちょい萌え。
●キロプモン:マキから仕入れたアスタモンの情報を表示。ネットの情報によると、欧米では成長期の表記がChildでなく「Rookie」、成熟期がAdultでなく「Campion」、完全体がPerfectでなく「Ultimate」、究極体がUltimateでなく「Mega」であるとのこと、今初めて知りました。夜にその眼光は照明代わり。この機能について調べたが何も詳細はわからなかった。必殺技パラライズエコーは、アスタモンには残念ながら効かなかった。無敵ではない模様。
●キョウ:今回も最初は別行動。マコトからの情報をもとに、怪しい者を張っていた。その名は名和、取引相手は遊狩と判明。彼のクリーナーとしての冷徹な一面が見られるのはギャップ萌えでワクワクする。黒幕を確保してからバトルの現場へ、笹竹を連れて。
●ムラサメモン:名和が渡した名簿のコピーを持つ遊狩の子分(バイクで逃走)を、バイクが倒れているからおそらく力ずくで確保し証拠を入手。
●吉村:戦いの翌朝、今度は4人と4体+1体を乗せて商店街を出発。グローイングドーンのアッシー君(死語、笑)なの?ガソリン車の汚い排気と青空が対照的なラストシーン。最後のひとこと「ってナ」がカワイイ。
●遊狩ケイスケ:パンダモンにクリーナーが3人も現れて一時撤退。家紋はおそらくユーカリの葉(葉が楕円形の種もあるが)のデザイン。「なあそれって俺たちにどんなメリットがあるんだ」まあおっしゃる通りではある;笹竹親分の覚悟をあざ笑う外道ということで。「生かして帰すな!」とアスタモンに殺人を教唆、怖っ。「卑怯」は最高の誉め言葉だと言うイカれたクズ野郎。
●アスタモン:アスタの由来は調べてもわかりませんでした。青地に白のストライプのスーツにグレーのコート、赤いマフラー、黒い翼、獣の仮面、長髪、棘のある黒い靴、それにマシンガンという荒々しくもスタイリッシュな出で立ちの獣人型デジモン。100万クレジットの大物賞金首。笹竹親分を足蹴にする乱暴者。弧荒会の事務所の窓ガラスを派手に全破壊した末に、遊狩の指示でミラーワールドを開く(事務所はめちゃくちゃ、もう遅いって気も…)。そこは高所からの攻撃が可能なビル街(だが特に利用はしていない)。オーロサルモンは、スペイン語で「金」と「鮭」の意。完全体の余裕の戦いっぷり。前回セリフがない登場であった。CVは、テイマーズのベルゼブモン、ゴスゲの宙の父でおなじみの高橋広樹さん。いいですねえこういうカッコいい容赦ない役。
●名和:苗字は「縄」ではありませんでした。いえね「縄さん」という顔見知りがいるもんで。夜中に遊狩から脅されていた、背景のシャングリラエッグの灯りは闇と光を表して象徴的。情報を横流ししていた国民保護省の職員。IDカードもデジタル化している。「STAFF ID CARD」、記名は「Nawa Masahiro」(原画の直井正博氏からの引用??)。アナログなやり取りなら足が付かないと高をくくっていたが、天才・キョウに全て暴かれ膝をつく。CVは八木沼凌さん。複数の脇役で頑張っておられ、今回は名前のあるモブキャラ、お疲れ様です!
●女性:CVは松嶌杏実さん。何度も録画を見返したが、どのキャラなのかわかりませんでした。「おばさん」とは別の住民の女性?
●アイキャッチ:今話でもゲッコーモンのパターンであった。キョウやマコトのも早く見てみたい。
次回予告:次回のサブタイトルは「ニリンソウ」。またも凍結する被害者。トモロウが?モンに襲われる。剣を振るうムラサメモンと、後ろから来て平静で真っすぐ前を見つめるキョウ。ニリンソウは、春に白い花を咲かせるキンポウゲ科の多年草で、1本の茎から花が2輪寄り添って咲くのが特徴。次回で書くが、ニリンソウは他にも特徴がある(同じキンポウゲ科のトリカブトは猛毒、など)ので、サブタイがどう本編に影響するか楽しみ。
2025.11.11. 記