DIGIMON BEATBREAK 第9話「理想郷」感想
脚本:會川昇 演出:都築悠一 総作画監督:金久保典江 作画監督:市川吉幸、佐藤敏明、細川修平、柳瀬譲二 美術:神綾香 制作進行:望月凛也
都築悠一氏の経歴は調べたがよくわからなかった。サブタイトルは理想郷だが、その描写はほんの序盤。マコトとキロプモンがメインを張った、シャングリラエッグへの潜入作戦。マコトとキロプモンの関係性、それと真逆のハルコ親子との、ゴールドヌメモンを巡る攻防。アイキャッチもようやくマコト版が登場。推しキャラは今のところいないが、マコトの謎が一部ではあるが明かされたので、マコトというキャラがますます気になってきた。
●シャングリラエッグ:複数存在するのはわかっており、今回は「光ヶ浜イースト」なるエッグが舞台。「あの悲劇的災害」とは、2025年以降に首都圏直下型地震か、南海トラフ地震が起きたのか。「台風、津波、地震、どんな災害でも安全な」まるでシェルター。登録者以外はワンデイパスポートの観光客しか入れない、理想的な小社会。生活もビジネスもエッグ内で完結し、セキュリティは完璧で犯罪歴があれば締め出され記録も残る。あら、それは正直、性犯罪の抑止には名案じゃない?と思ってしまう元保護者一名ここに。レイプして被害者の一生を破壊しても懲役6~8年、再犯率も高く、セカンドレイプ予防として実名は報道されず。身元を公表し、無期懲役か、出所してもGPS 付けて監視し、特に教師、保育士、介護士などの対人専門職として復帰できないようにしてほしい。
さらにセレブな「ハイエンド(上端、最上級の意)ブロック」も存在する。安全で治安もよい、しかしなんだか窮屈そう。
一点だけ言うと、医師のものであろうあるサポタマが「患者さんが待っています」と言っているが、それはたぶん治るであろう急性期の患者であって、慢性の持病持ちや障碍児・者、LGBTQ+当事者と言ったマイノリティが「理想的な自分」としてエッグに存在しているかという疑念。おそらくは登録を許されないのでは。スタッフさん、どうなんでしょう?私は女性、シングルマザー、持病と障害の当事者として問いたい。
●トモロウ:「シャングリラ、理想郷ね…」と当初から嘘臭さを感じている。中卒でもシャングリラの和訳を知っていたのね。RPGとかやってる子なら知ってそうだけども、トモロウはそんなタイプじゃないのに。
●ゲッコーモン:「ショッピングブロック」へ向かうに「シェアリングカー」をサポタマの代わりになって自動運転できたのには驚いた、かわいい。いわゆるハンドルを握ると性格が変わるタイプ?渋滞を突破、笑。予告の黄色い物体はやはり、。「ウンコ」って言っちゃってるよ~藩さん!笑。棒でつんつんするのは「Dr.スランプ」のアラレちゃんのパロディだろう。ということは近未来でトモロウがDr.スランプの漫画かアニメを知っていたということか。コミカルなBGM。つつくと暴発、吹っ飛ばされて金色まみれ。
●マコト:エッグ出身、しかもハイエンドブロックに住む超名家の出であった。顔認証で入れたから、エッグの住民登録は抹消されていないということ。つまりは居られなくはないのに、あえてエッグ外での生活を選んだということ。それほどデジモン持ちは冷遇されるのか。家族に追い出されたのか、自ら退いたのかはまだ不明。「お宅のあるハイエンドブロックまでは…」と警備員に声をかけられ、一瞬うつむいて複雑な表情で無言。家で何かあったのは間違いない。
「インフォメーションデスク」なる個室を利用しサポタマの代わりにキロプモンをセット。そこから清掃職員名簿を出し、いずれも20代の「Ai Koga」「Haruto Murakami」名義の写真をレーナとトモロウに改ざんする。これで二人は顔認証だけでエッグに入れた。トモロウたちのサポタマでは「デジモンに取り込まれまともに機能しなくなってる」という。そうなんだ。
キロプモンはなぜ生まれたのか。マコトが知りたがり屋だから情報収集能力はその合わせ鏡なのだろう。家柄にたかりたくて近づいてくる輩が多いのは想像がつくし、次回のサブタイからしてそうでない存在、本当の友達をマコトが強く望んで、生まれたのではないか。一緒にいたい、自身の一部。「キロプモンは僕の大切なパートナーだよ」「キロプモンのせいじゃない。デジモンと僕らは合わせ鏡」。パートナーとして対等というより、キロプモンのやさしい保護者かな。
「デジモンを生んでしまったということが知られるだけで、理想的な人間ではないと判断されます。まして、デジモンとずっと居たいなんて言ったら」一緒にいたい、それでエッグを出たんだね。偶然発生したバグ、けれどその存在感は大きくて。
●キロプモン:その情報収集能力、索敵能力で裏社会に欲しがる人間が多数いるらしい「戦場やスパイ活動で使える」。デジモンを悪用する人間のいる世界。ゴールドヌメモンにやられてマコトに保護され謝る、けなげな子。一人称が「ボク」なのは驚き、通例ならデジモンに性別はないが、オス系デジモンな模様。いやそれともボクっ子??近頃は某女性タレントもボクを自称しているし。責任感と悔しさから、休憩をひとり切り上げゴールドヌメモンを探しに「今度は、負けない」。いい子だ~。だから余計心配。
「邪魔するな、ボクがマコトを守る!」ハルコにお前のせいでマコトくんは追い出された、「邪魔してるのはお前のほうだ」と断言され、大ショック。心に隙ができたところをシェイドモンに憑りつかれてしまう。そして味方を攻撃する羽目に。
●レーナ:クリーナー稼業が長いのでエッグに入るのは初めてというのは意外であった。「シャングリラエッグにいるのにまだ働くの?」幼い頃から身一つで裏稼業で稼いできた少女の本音。
●プリスティモン:紅茶に次いで、匂いに敏感な描写あり。珍しく進化せずに戦った。
●キョウ:「マコト、無理はしなくていい。あそこには…」ってあと何を言おうとしたんでしょうか、気になる~。マコト「大丈夫です。今の僕はクリーナーです」やはり心配なのか、片眉を動かし微妙な表情を返すキョウ。今回も別行動で、何をするんでしょうか、それも気になる。
●マキ:マキによると、エッグ案件は割りがいいと。確かに、潜入するリスクがある。3体で60万クレジットということは、一体20万に相当する。紹介はするものの、アレな案件であった(実はキラキラな汚物系)。
●シェイドモン:漫画版クロウォがデビュー作で、アニメには初登場。実体はなく人やデジモンの影に憑りつくデジモン。憑りついた相手の絶望を自身の栄養として食らい続け、摂取した量でどの凶悪デジモンへ進化するかが変わるという。必殺技は、周囲のデジモンを操って洗脳し襲わせる「キルミー」、地面にたたきつけられる幻覚を一万回見せる「フリーデスフォール」。シェイドモン本人はパートナーに友好的だが、ハルコからは「疫病神」「道具」と邪険に扱われている。「これはハルコの獲物だ」と乱入しキルミーでゴールドヌメモンに憑りついた。せっかくものにしたのに、ハルコには近づくと「来るな!気持ち悪い」とはたかれボロクソな扱い。CVは宮田幸季さん。無印のピコデビモンが印象的、テイマーズのクンビラモン、ゴスゲのドラクモンでも出られている。
●ゴールドヌメモン:ヌメモンがDWの金山を発見し黄金のデータを取り込んで防御力を強化した突然変異型の成熟期。必殺技は金色のウンチを連投する「ゴルドリアンラッシュ」、巨大なウンチを投げつける「ゴールドエクスクレメント」。金色になっても技は汚物系、笑。ウンチは体内の金属粒子で構成されているというが、粒子を振りまかれると匂いが強烈笑。成熟期だが、成長期のパラライズエコーは効いた。エッグのゴミ集積所が海に通じており、そこからエッグに侵入したと思われる。CVは菊池正美さん。とうとうビーブレにも来たか!役柄はアレですがうれしい!アプモンを除くと皆勤賞?
●山田ハルコ:シェイドモンのことを道具と見なしており、シェイドモンの能力で使えそうなデジモンを操っては乗り換えることを繰り返していた。シェイドモンが至近距離に近づくのも嫌がるほど嫌っている。マコトによると静かなやさしそうな子だったから、クソ親父のせいで性格が気まぐれな自己中に歪んでしまった。マコトの目前で仁王立ち、王子様なマコトのそんな姿を見たくなかったと啖呵を切る。「デジモンなんかのせいで、かわいそう」「そいつのせいでエッグに住めなくなったんでしょ」「バカじゃない?」。偉そうに何様?
資産家の家に侵入し老夫婦を拘束、食べ物を漁るという荒れっぷり。チキンを放り投げてゴールドヌメモンに当たってもお構いなし。食べ物もデジモンも粗末に扱うなんて、婆さんは許せない。「ハルコの一部、そんなのあり得ない!」と否定するも苛立ちは隠せない。幼稚園時代から数年、これで同じ10才とは!キロプモンに対しては「でもあれはマコトくんの…」ともともと持っているやさしさから一瞬ためらうが「そうか、仲がいいのに引き離したら可哀想かな」と言われると目の色を変えて「ううん、あのデジモン絶対欲しい」と豹変、マコトを貶めたいのだろう。なんて恐ろしい、狂気の沙汰だ。
キロプモンを入手するためにグローイングドーンをゴミ集積所へおびき出す。キロプモンを操るのに成功し、「見てて、デジモンなんてただの道具だって証明するから」とe-パルスを食わせる。もう目がイっちゃってるよ。エッグを追われた喪失体験と、親父の憎悪でイカレた子。食ってしまったキロプモンは、味方たるプリスティモンとゲッコーモンに「コンデンスドエコー(口から超音波を極限まで圧縮し放つ攻撃)」を放つ。技に呑み込まれた二体はどうなる?!衝撃で明転してのラストシーン!
CVは大和田仁美さん。青ニプロ所属、アドコロでプッチーモン赤、ゴスゲでエレキモンほかで出ておられる。阿座上洋平さんの配偶者。夫婦で共演する心境やいかに。ハイ、下世話なもんで。いや、今どきは別撮りなのかな。
●山田サニー:ハイエンドブロックに執着し、不正を働いて追放された挙句、自分にはデジモンがおらず娘とパートナーデジモンを利用してクリーナー稼業をするクソ親父。こんな親だから、娘も歪んで育ち、妻が出てこないのはおそらく離婚に至ったのであろう。娘のことを「次々とデジモンを乗り換えてる、ファッションのようにね」と肯定。いや違うだろ。この親にしてこの子あり。
マコトに「久遠寺って聞いただけで虫唾が走るんだよ。お高く留まりやがって」と完全に逆恨み。それとも、過去に久遠寺家の誰かに痛い目にあわされたのか。
CVは下山吉光さん、フリーの声優、ナレーター。声種はバリトンで、凄味がある。
●火野:情報屋として山田と接点が。シェイドモンに憑りつかれ情報を引き出されるヘタレっぷり。でもそんなことされても縁は切らないのね、不思議。所詮は裏稼業、金が目当てか。「あんたが欲しがってた例のモノ」って何だろう。CVは菅沼久義さん、青ニプロ所属の中堅。
●サポタマ:CVは松嶌杏実さん。
●観光客:CVは水希凛さん、川口桜さん、橘内良平さん、内希帆(うちきほ)さん(青ニプロのジュニア枠の方。本当に本当にどうでもいいことですが、「内」という珍しい苗字なので、人間の氏名として認識するのにはファーストネームは二文字でなく三文字のほうが視覚的にも聴覚的にもバランスがいいと思ってしまいます。どうしてこの名をつけたのかな?)。
●警備員:CVは中村光樹さん。
●ビジネスマン:「新製品のサポタマシックスティーン」、ミラーボールの機能って、一体どんな場面で使うのやら。ゲッコーモンがサングラスして踊る挿入シーン、笑。ここにいても更なる理想郷・ハイエンドブロックを目指し働くのだと、どんだけ~!CVは佐藤悠雅さん、青ニプロの若手、アドコロやゴスゲの脇役で出られていた方。若手なのに、オジサマの声を見事に演じておられた。
●アナウンス:CVは元吉有希子さん、青ニプロ所属の声優、アイドル。東京芸大音楽学部卒のエリート、特技はヴァイオリン演奏と声楽(ソプラノ)。ゴスゲでキウイモンなどで出られている。本当にどうでもいいことなんですが、あの芸大卒なんだから、こんなところで端役やってる場合かとツッコみたくなってしまう。自分は高校が上野にあり芸大と隣接していたので、芸大は身近な存在なのもあって、つい。
次回予告;次回のサブタイトルは「本当の友達」。どうやら操られたっぽいウルヴァモンとゲッコーモン、キョウとクーガモンに銃を向ける金髪の謎の女、シェイドモンと融合(?)するハルコ、キロプモンとマコト。マコトが笑顔でキロプモンの目も戻ってるから、次回で解決するということか。脚本は同じ人で?
2025.12.2. 記